口臭は自分ではなかなか分からないものですが、ほかの人の口臭は迷惑千万
自分が口臭をまき散らしているのでは無いかと気になる人も多いでしょう。
特に接客業の人や仕事上で部外の人と合うことの多い人は仕事に支障がありますし、あるいは友人や恋人と一緒に食事したり遊びに行ったりというときにも、口臭があると興ざめです。
口臭の原因には何があるのか、口臭の種類は、
様々な口臭について見ていきたいと思います。
口臭にも色々な原因や種類があります。大きく分けると5種類に分類出来るでしょう。
・生理的口臭
・飲食物・嗜好品による口臭
・病的口臭
・ストレスによる口臭
・心理的口臭
・その他の口臭
それぞれについて、もう少し具体的に解説していきます。
生理的口臭
誰にでもある口臭で
・起床時口臭
・空腹時口臭
・緊張時口臭
などがあります。
起床時口臭
夜間は唾液の分泌が減少します。唾液が少なくなることで雑菌が繁殖し、だれでもお口が臭くなります。ですから誰でも朝起きたときには口が臭くなる傾向があります。
特に、寝ている最中に口呼吸になっている人は口の中が乾燥するので口臭が酷くなります。
また、前の晩にお酒をたくさん飲んだ場合も、お酒臭さに加えてアルコールの分解に水分が大量に使われ、口の中が乾燥することになります。
>空腹時口臭
食べ物が胃の中にある間は良いのですが、食べ物が消化されて何も無いときに膵臓から分泌される膵液(すいえき)が胃の中に入って分解されるときにでる臭いが、口臭となって現れます。
この空腹時の口臭は「ハングリーブレス」と呼ばれています。
この空腹時口臭を防ぐためにはなるべく腹持ちの良い=消化の悪い?食べ物を食べる方が良いということになります。
また長時間食事をしていない=唾液が出ていないということも、口臭の原因になったりします。
ですから、前の起床時口臭と合わせて長時間食事を摂っていない朝は、口臭がしやすいということも言えるので、朝の歯磨きや、必ず朝食を取る(バナナ1本、ヨーグルト1杯でも良い)ことが大切です。
緊張時口臭
緊張したときにノドがからからになった事ってありませんか、汗をかいているわけでも無いのに身体の中の水分が吸い取られていくように、口の中から唾液が出なくなってしまう
しかもこういう時の唾液って、たとえ出てきても、ネバネバの粘度の高いもののはずです。
これは、緊張状態になると、交感神経優位の状態になり、それに伴い唾液を分泌させる働きのある、副交感神経機能が低下してきます。
となると、唾液の減少=口臭の発生に繋がるわけです。
飲食物・嗜好品による口臭
ニンニク、ネギ、酒、タバコ等、飲食物や嗜好品により一時的な口臭がする事があります。これらは時間の経過とともに臭いも無くなります。
病的口臭
虫歯や歯周病、鼻やのどの病気、呼吸器系の病気、消化器系の病気、糖尿病、肝臓疾患などが原因で口臭が起こる場合もあります。
もっとも病的な口臭の大部分は、口の中が主な原因となります。
病的な口臭の原因となる主なものは
歯周病
昔の言い方をすれば歯槽膿漏、昔の名前が示すとおり歯周病にかかると、口の中の細菌が原因で歯茎などの歯周組織に炎症を起こして膿がたまる病気です。
歯周病が進行すると歯周ポケットが深くなっていき、この歯周ポケットは細菌が潜む格好の場所となります。
そして細菌が増殖すると、食べカスに含まれるタンパク質などを分解して揮発性硫黄化合物(VSC)を作り出し、この揮発性硫黄化合物(VSC)は気化しやすく口臭の原因となります。
虫歯
虫歯になって歯に穴が空くと、その中に食べかすやプラークなどの汚れがたまり、臭いの原因になります。また、さらに虫歯が悪化して神経が冒されて、その部分が腐敗して悪臭を発することもあります。
歯垢
歯垢(しこう)、プラーク
歯垢(プラーク)とは、歯周病菌やむし歯菌などを含む細菌の塊のことで、黄白色でネバネバした物質です。
歯垢に含まれる細菌が硫化水素やメチルメルカプタンなど、ニオイの強いガスを作り出して口臭の原因になります。
また、歯に歯石がくっついたままだとざらざらした歯石の表面に歯垢がこびりつきやすくなり、これが口臭の原因になったりします。
舌苔
舌苔(ぜったい)とは、舌の表面に付着する苔(コケ)のような白っぽい汚れのことです。
舌の表面には舌乳頭(ぜつにゅうとう)という細かい突起がたくさんあり、この中に食べかすや口の中ではがれた粘膜がたまり、細菌のたまり場になっています。
そして細菌や食べカス、はがれた粘膜などが舌の表面に付着してできた白い苔状のかたまりを舌苔と言います。
この舌苔が細菌によって分解され揮発性硫黄化合物を作り出し口臭の原因になるわけです。
唾液の減少
前の方で起床時や緊張したときには唾液が減少して、口臭が出やすくなると説明しましたが
唾液の減少は起床時や緊張時等の一時的なものもありますが、加齢や体質(ドライマウスなど)のために、唾液の分泌自体が日常的に減少している場合も、口の中に細菌がはびこり口臭の原因になります。
入れ歯
入れ歯に汚れが付着したままになっていることも口臭の原因になります。
特に古くなったり傷がついていたりすると食べかすや汚れが入れ歯に付着しやすくなります。
また、入れ歯をはめた場合あちこちに、歯茎と入れ歯の隙間などにも食べかすなどが付着しやすいという事もあります。
虫歯を治療した時にかぶせた金属
むし歯治療などで、歯に金属の被せ物をした時に金属製の被せ物は、年月と共に腐食し、歯に合わなくなり隙間ができてしまいます。その隙間に食べカスや歯垢などの汚れが溜まると口臭の原因になります。
口内炎
口の中が口内炎の炎症により熱を持つことで乾燥することが、口臭の原因になることがあります。
また、口内炎になる原因=ビタミン不足、口腔内の不潔、不適切な入れ歯や虫歯の治療跡との接触、口腔内の環境悪化(細菌の増殖)がそもそも口臭を発生しやすい環境と結びついていると言うことも言えます。
口腔癌
舌や歯茎、口腔内の粘膜などにがんが発生することがあり、口腔がんが原因で口臭が発生することもあります。
鼻やのどの病気
副鼻腔炎(蓄膿症)や咽頭炎、喉頭炎などの炎症があると、たんぱく質を含む血液や膿が口の中に出てきて、口臭が起こります。
副鼻腔炎(蓄膿症)は、副鼻腔に細菌が入り込んで起こす炎症で、病的な分泌物が鼻から口の中に流れてきて、口臭を発生することがあります。
また、アレルギー性鼻炎では、鼻水の分泌が必要以上に起こり、たまった鼻水が変質したり、鼻での呼吸が障害される結果、口呼吸が多くなり、口の粘膜が乾燥したり汚染されたりして口臭が発生する場合もあります。
扁桃腺など口の中以外の部分に感染などの問題があっても口臭が生じることもあります。
因みに、俗に「臭い玉(くさいだま、においだま)とも言われる膿栓が扁桃のくぼみの部分に出来る事があります。
膿栓は体内に侵入してきた細菌やウイルスと戦った扁桃組織の炎症産物や、食物のカスが白くなって溜まります。
膿栓自体はとても臭いため、口臭の原因になると思われがちですが膿栓は潰さない限り悪臭が発生することはないので、膿栓そのものが口臭の原因になることは通常はありません。
全身疾患による口臭
口臭の原因は口腔内にあることが大半ですが、全身疾患が口臭の原因になっていることもあります。
主なものとしては
・呼吸器系、消化器系の病気
・咽頭や気管支、肺のカンジタ感染
・糖尿病
・肝硬変
・トリメチルアミン尿症(魚臭症候群)
・肺ガン
・胃癌
・扁桃炎、咽頭癌
呼吸器系、消化器系の病気
逆流性食道炎などでは、すっぱい胃液が食道に逆流することによって口が臭うことがあります。
因みに、会話するときに口臭が発生します。会話時には口呼吸になり、口呼吸するときは、口から胃に通じるルートは閉ざされ、胃からの臭いは口に上がってきません。ですから、ゲップなどを除き、胃からの臭いは、通常は口まで上がってきません。
咽頭や気管支、肺のカンジタ感染
咽頭や気管支、肺のカンジタ感染になると、独特の甘い匂いがします。
糖尿病
糖尿病になると甘い匂いや甘酸っぱい臭い、アセトン臭(揮発性の薬品臭)がするようになります。
これは糖尿病になると、エネルギー源として糖分が使えなくなり、唐の代わりに脂肪が使われるようになります(糖尿病が進行すると痩せてくるのはこれが原因)
この結果、体内でアセトン(ケトン体)が生成され、このアセトンが甘酸っぱい臭いの原因となります。
また、。糖尿病になると、細菌に対する抵抗力の低下や唾液の分泌量の減少が起こり、口腔内の細菌が増加するので、歯周病が悪化しやすいことも、口臭の原因になります。
肝硬変など肝臓の病気
肝硬変など肝臓の病気になると「アンモニア臭」(尿や排泄物の臭い)がします。
甘草は体内で生成されたアンモニアを無害な尿素に変換する働きがあります。この肝臓の働きが低下すると、分解されきらなかったアンモニアが体内を循環し、アンモニア臭を発生します。
トリメチルアミン尿症(魚臭症候群)
汗や尿から、生臭い匂いトリメチルアミンが排出されるため、体臭として現れます。トリメチルアミンは、魚の生臭い匂いに似ているため、魚臭症候群とも呼ばれています。
口臭として臭いを感じることも多く、実際に魚などを食べた後に匂いが強くなります。
先天性代謝異常が原因となる場合と、肝疾患や慢性的な腎臓機能の疾患が原因となり発症する場合があります。
通常はトリメチルアミンは肝臓で分解されてしまうので、体の外に臭いが出ることはありません。
しかし、トリメチルアミン尿症になると、この分解がうまくできなくなり、トリメチルアミンが身体のあちこちに流れ出て臭いが発生します。
肺ガンや胃ガン、咽頭癌
肺ガンや胃癌、咽頭癌が進行すると壊死した肉の腐敗臭がするようになります。
ガンになるとその部分の組織が壊死して腐敗します。そしてその臭いが静脈の中に入って、呼気として肺から出てきます。
血液疾患(急性骨髄性白血病)
白血病による造血機能の障害により白血球の低下が起こる結果、発熱による口腔の乾燥や血小板減少による鼻や歯茎からの出血による口臭があります。
また白血病細胞が臓器をおかす結果、歯茎が腫れ口臭の原因になることがあります。
ストレスによる口臭
ストレスがあると交感神経が優位になり、唾液の分泌が少なくなります。
例えば、極度に緊張したときに口の中がからからになった経験がある人も多いと思います。
緊張しているということはストレスがかかっているということでもありますし、ストレスと同じメカニズムで交感神経が緊張状態になっているので、一時的に唾液の分泌がストップして、口の中がからからになります。
ストレスが続けば、唾液が少ない状態が続き、口の中で細菌が増殖しやすくなり、この結果として口臭が出やすくなります。
心理的口臭(自臭症)
心理的口臭(自臭症)は、実際には口臭がないのに、自分の口から口臭が出ていると思い込んでしまうものです。
口臭を気にして、1日に何度も歯磨きをしたり、お口のケアをするのですが、昔、口臭を指摘されたトラウマとか心理的ストレスが原因となっていることが多くあります。
そして口臭を気にするあまり、周りの人の全く関係ない動きを、口臭がしているからだと思い込んでしまうような状態になったりします。
信頼出来る人や歯科医でチェックしてもらって、口臭がないことを確認して、安心出来れば良いのですが、心理的口臭(自臭症)の人は
心の奥底に心理的な問題を抱えていることが原因だったりするので、口臭を気にしてしまう心理状態から抜け出せないことも多いようです。
その他の口臭
便秘による口臭
頑固な便秘が長期間続くことも口臭の原因になります。
便秘は、大腸の中に便が留まった状態になります。
一時的に便を排出するまでだけなら良いのですが、長期間大腸の中で留まっている結果
腸内の悪玉菌が増え、腸内環境が悪化していきます。そして悪玉菌が多いと、腸内のものが腐敗して悪臭を発するようになります。
そして、この悪臭の原因物質が腸内に留まる結果、腸から吸収され、血液に溶け込んで全身をめぐるようになります。
この悪臭成分を含んだ血液は当然肺にもめぐってきて、吸い込んだ息と接して、呼気の中に悪臭成分が溶け出し、呼気が臭い=口臭の原因となります。
まとめ
口臭が気になる人は大勢います。あるいは逆に本人は全く気付いていないのに、悪習をふりまいて、迷惑な人となっている場合もあります。
口臭が気になるなら、口臭の様々な原因について、自分に心当たりがないか、そして、できれば家族などに自分の口臭についてチェックしてもらうことが良いかもしれません。
そして、ちょっとした心遣いや工夫で口臭源となる事をさける事が出来る、
あるいは、もしかしたら病気などの何らかの原因を抱えていて、その原因解決のきっかけになるかも知れません。
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