悩み相談などを見ていると、様々な頭皮トラブルや髪のトラブルを抱えている人が、どのようなシャンプーを選べば良いのか分からず悩んでいる人がたくさんいます。
そして、その回答をしている人を見ると、結構間違った回答をしている人も多く見受けられます。
シャンプーを選ぶ際には、絶対押さえておくべき基礎の基礎というもの
あるいは、一般に広まっている誤った知識というものがあります。
こういうことを知らないでシャンプーを選ぶと、結局、誤った情報を信じて、トラブルの症状を更に悪化させるようなシャンプーを選んでしまったり、いつまでたっても症状が改善しないなどという場合もあります。
そういうことを防ぐために、シャンプー選びで最低限知っておいた方がよいと言うことについて解説します。
シャンプーの洗浄成分による選び方
シャンプーは洗浄成分により大きく3種類に分けられます
・高級アルコール系
・石鹸系
・アミノ酸系
それぞれの特長を簡単に解説すると
高級アルコール系
よく、テレビなどで宣伝しているシャンプー
そして、ホームセンターやドラッグストアなどの一般のお店で売られているシャンプーのほとんどは、この高級アルコール系のシャンプーになります。
よほどシャンプーにこだわりのある人でない限り、あなたの使っているシャンプーもこの高級アルコール系のシャンプーの可能性が高いです。
あなたの使っているシャンプーが高級アルコール系かそうでないか調べてみましょう。
シャンプーは必ず全成分の表示が義務づけられていて、シャンプーの裏側などに、成分の多いほうから順番に成分の名前が書かれています。
シャンプーの成分で一番多いのは水ですが、これを別にすると、シャンプーの裏に書かれている成分表で
水の次に書かれているのが洗浄成分です。
注:シャンプーによっては2~4種類くらいの洗浄成分を混合している場合があり、その場合は2~5番目くらいまでが洗浄成分になります。
ここに
・ラウリル硫酸ナトリウム
・ラウレス硫酸アトリウム
・ラウレス硫酸アンモニウム
などと書かれていれば、高級アルコール系のシャンプーとなります。
高級アルコール系のシャンプーの特長として
メリット
・洗浄力が強い
・値段が安い(おおむね1,000円以下)
・通常、リンスやコンディショナーとセットで売られている
・入手しやすい(市販されているシャンプーのほとんどは高級アルコール系のシャンプー)
デメリット
・洗浄力が強力な反面、刺激が強く髪や頭皮にダメージを与えやすい
・髪を保護している皮脂成分が根こそぎ洗い流されるので、髪をコーティングするためにシリコンなどのコーティング剤が入っているコンディショナーなどで髪をコーティングする必要がある。
市販されている一般的なシャンプー
石鹸系
石鹸系とは文字通り石鹸を主成分としたシャンプーです。
種類は少ないですが、一般のお店で入手することが出来ます。
石鹸系の特長としては
メリット
・人類が長年使用してきた成分なので頭皮などにアレルギー反応が起こりにくい
・値段は比較的に安価
・洗浄力が強い
・生分解性が良く、環境への負荷が少ない
デメリット
・人間の頭皮や髪は弱酸性なのでアルカリ性の石鹸で髪を洗うと、刺激が強く、髪のキューティクルが逆立って髪を傷めやすい
・アルカリ性を中和するために、シャンプー後は、お酢や酸性成分の入っている専用のリンスなどで中和する必要がある。
・洗浄力が強いので高級アルコール系と同じように皮脂成分を根こそぎ洗い流してしまいます。
アミノ酸系
高級アルコール系のシャンプーは洗浄力が強力で、刺激も強いことから、マイルドな洗浄力を持つアミノ酸系の洗浄成分のシャンプーが作られました。
一般に市販されていることは少なく、美容室や通販などで売られていることが普通です。
アミノ酸系の特長
メリット
・洗浄力がマイルドで髪や頭皮への刺激が少ない
・皮脂成分が根こそぎ洗い流されることはなく適度に脂分がのこるので基本的にコンディショナーなどで髪をコーティングする必要が無い。
デメリット
・高価である(通常2,000円以上、ただしコンディショナーは必要ない)
・一般のお店で入手しにくい
・慣れないうちは洗浄力が物足りない
(丁寧に洗髪する必要がある)
注:髪を洗った後の脂分の不足を補うためのコーティング剤は必要ありませんが、ダメージヘアーで、髪をコンディショナーなどでコーティングせざるを得ない様な髪質の場合は、コンディショナーなどを使用する場合もあります。
間違った常識に惑わされない
シャンプーの世界には、さも本当の様で、実はいい加減な常識がいくつかまかり通っています。
シャンプーを選ぶ際には、これらのいい加減な常識に惑わされないようにする必要があります。
そこでシャンプー界にまかり通っている怪しげな常識について解説してみます。
シリコンは髪に良くない
シリコンはもともと、医療品や化粧品に広く使われている人畜無害、安心安全な成分です。
高級アルコール系のシャンプーを使った際には髪をコーティングしている皮脂成分がすっかり洗い流されてしまうために、髪を保護するために、このシリコンが配合されています。
時々、高級アルコール系なのにノンシリコンなるシャンプーが売られていることがあります。
このようなシャンプーを使うと当然、コーティング成分が不足して髪がキシキシする事になります。
さすがに最近はこれじゃあまずいということでシリコンに代わる別のコーティング剤が配合されているシャンプーが増えてきましたが、シリコンより性能が同等以下だったり、単に価格が割高だったりする場合が多いです。
また、シリコンは毛穴に詰まるから頭皮に良くないという話しも
じゃあ、シリコンは化粧品に広く使われていますがお肌に良くないのかといえば、そんなことは決してありません
ごく普通に、お顔などに塗る化粧品に使われています。
また、シリコンは髪をコーティングしてしまうのでカラーリング剤やパーマ剤が浸透しにくいという話しも
シリコンが髪に付着している状態を顕微鏡で見ると、ごく粗い網の目状に付着しているだけですので、これらの液剤が髪に浸透しにくいという話しも眉唾物です。
髪に付着したシリコン(イメージ)
注:アミノ酸系のシャンプーは洗浄力がマイルドで皮脂成分を適度に残すのでシリコンを入れて髪をコーティングする必要はありません
ですからアミノ酸系のシャンプーは当然ですがノンシリコンシャンプーとなります。
美容室などで勧められるのはノンシリコンシャンプーというよりは、アミノ酸系のシャンプーということで
誤った常識が逆に、アミノ酸系のシャンプー(ノンシリコンシャンプー)を勧めるセールストークに使われている場合があります。
因みに、美容師さんは毎日何人もの髪を洗うので、刺激の強い高級アルコール系のシャンプーを使っていると、手が酷く荒れてしまうので、実感としてアミノ酸系シャンプーを勧めているというか、高級アルコール系のシャンプーの怖さを知っているという事情もあると思います。
石油系のシャンプーは髪や頭皮に良くない
シャンプー界にはびこるウソのなかで最大のものはこの石油系のシャンプーは良くないというものです。
・石油由来の洗浄成分
・原料が石油のもの
など
しかし、今日本で販売されているシャンプーに原料が石油のものは、無いはずです。
ほぼ間違いなくシャンプーの原料には植物油脂(ココヤシなど)を原料にしたものが販売されています。
なぜなら
・石油が原料だと、確実に消費者から拒絶反応が出ること
・上記の理由もあって、流通経路に流れていて、各シャンプー会社が原料を作っている会社から入手できる原料は、ほぼ植物油由来のものしかないこと
・東南アジアなどのプランテーションで大量のココヤシ(植物油)などは作られていて、石油から作るのと原料の値段は変わらないこと
ですからわざわざ費用をかけて石油を原料にした評判の悪い洗浄成分を作る理由がありません
と言うと
「今は植物油から作られているけど、元々は石油から作られていたいわゆる石油由来のシャンプーがある」
という人がいるのですが
高級アルコール系、石鹸系、アミノ酸系の全ての洗浄成分は、石油から作る事は出来ますが、天然の植物油からも作る事が出来ます。
ざっくり見て日本で売られているシャンプーの割合は
85% 高級アルコール系
10% 石鹸系
5% アミノ酸系
(単なる私の感覚です(^_^;))
位だと思います。
時たま石鹸は天然成分だと言い張る人がいますから、石鹸系を除いたとしても残りの90%全部は石油由来のシャンプーということになり
じゃあ、選べるシャンプー無いじゃんということになってしまいます。
どうしても石油由来のシャンプー・・と言い張る人は衣料用の洗剤をシャンプーに使っているとでもいうのでしょうか
注:最近では衣料用の洗剤でも植物油を原料にしたものが主流になってきています。
石油系シャンプーは本当に危険なのか、シャンプー選びの基礎知識
100%天然成分
これもよく吟味してみる必要のある表記です。
厳密に言えば100%天然というなら米ぬかなどの、本当に天然のものだけを使ったシャンプーになるはずですが、そんなものは存在しません
植物油が原料だとアピールしている製品もありますが、実際のところ、今時のシャンプーは皆、植物油が原料です。
特殊なシャンプーを除いて防腐剤などが配合されているはずですし、防腐剤の入っていないシャンプーは消費期限が短く、すぐに腐敗してばい菌などが繁殖している可能性もあります。
界面活性剤の入っているシャンプーは良くない
これも意味不明な言葉で
界面活性剤=油と水を混ざり合いやすくする成分
のことで、言うなれば洗浄成分のことですから、界面活性剤が入って無いシャンプーって洗浄成分の入っていない?シャンプーな訳で意味がありません。
なかには、そうじゃなくて化学合成された界面活性剤は良くないという人もいますが
石鹸だって化学合成されてるじゃんと揚げ足を取るつもりはありませんが
100歩譲って、石鹸系を除いたとしても他の90%のシャンプー全部に化学合成された界面活性剤が入っているということになります。
シャンプーは結局、どういう風に選べば良いの
色々なサイトを見ていると、高級アルコール系の(石油系)シャンプーは頭皮や髪に良くないので選ぶなと書いてある場合が多いです。
確かにその通りなんですが
TVや雑誌で、いかにも良さげに宣伝していたり、普通のお店で売ってるシャンプーは、陳列棚の隅の方にこっそり置いてある石鹸系を除けばほぼ100%この高級アルコール系のシャンプーです。
アミノ酸系洗浄成分配合といっても、成分の極一部にアミノ酸系の成分を配合してあるだけで、基本的に高級アルコール系のシャンプーというものも多くあります。
ネットなどでオススメのシャンプーとか調べても大概が、値段の高い通販のアミノ酸系シャンプーを買わせる魂胆で、おどろおどろしく、ありもしない石油由来のシャンプーは絶対使うなとか高級アルコール系のシャンプーも使わない方が良いなどと言っています。
そうはいっても結局、普通のお店でシャンプーを購入しようと思えば、高級アルコール系のシャンプーになってしまいますし
どれもこれも大した違いは無いと言ってしまったら、お終いなんですが・・
確かに、アミノ酸系のシャンプーは頭皮や髪に優しく頭皮や髪にトラブルを抱えていて、お金を出しても良いという人ならアミノ酸系のシャンプーを選ぶのが良いと思います。
トラブルがそれほど深刻ではなく、シャンプーにそんなにお金を払いたくないという人は、高級アルコール系を選ぶしか無いという
身も蓋もない結論になってしまいました。m(_ _)m
ということで、個別のシャンプーについては追々紹介していきたいと思います。
今回は、シャンプー選びで最低限知っておきたいことについてまとめてみました。
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