野球をやる醍醐味は何といってもヒットを打つことでしょう。
投手の投げた球をバットの芯で捉えて、痛烈なライナーが野手の間を抜けていく
野球をやっているものなら誰しもが、最高の快感を感じるときです。
程度の差はあれ、守備をやるために野球をやっている人は少ないと思います。
チャンスにバッターボックスに立って、ヒットを打ち塁上でガッツポーズをする。
この時のために苦しい練習にも耐え、毎日練習をしているようなものです。
とはいうものの、なかなかこのヒットが出ないんですよね(^^;)
10回打席に立って3回ヒット打てれば優れた打者と言われます。
どうしたら打率を上げることが出来るのか
綺麗なフォームで力強いスイングをすることも大切ですが
やはり、1番大切なのは、ボールをしっかり目で捉えて、バットの芯にあてることが打率の向上に直結します。
その為には投手の投げたボールをしっかり目で捉えるための動体視力が大切なんですが
単なる動体視力だけでなく
ボールをしっかり目で捉えるためには、動体視力の元になる瞬間視の能力が大切になってきます。
この瞬間視の能力がなぜ投手の投げたボールをしっかり捉えるために必要なのか
そして瞬間視を鍛える方法について解説します。
目次
瞬間視とは
瞬間視とは、瞬間的に視覚情報を捉える視覚能力です。
瞬間的に見ている物の形や、色、模様などを識別する能力です。
野球のバッテイングでいえば、投手の投げたボールの
形や色などは分かっていますから
目のいい人は縫い目とか回転なども見分けるのでしょうが
少なくともボールの位置がその瞬間にどこにあるのかということが重要になってきます。
ボーッと眺めているだけであれば、全然ボールが見えてなかったり
瞬間視が出来ていなければ、ぼやけた雲のかたまりみたいなものが帯のようになって見えているかもしれません。
よくいわれる、見ているけど見えていない状態です。
逆に瞬間視がしっかり出来ていれば、その瞬間、瞬間にボールがどの位置にあるかを見極めて
しかもその情報を脳の中で処理して、ボールのスピードや、コースをしっかり把握していれば
ボールの未来位置も正確に予測でき、その未来位置に向けてバットを振り出せば、高い確率でバットの芯にボールを当てることが可能になります。
一方、瞬間視がしっかり出来ていなくて、なんとなくでしかボールの位置を捉えていなければ、ボールの未来位置を予測することは困難で
仮に運良くバットに当たったとしても、バットのどの部分にボールが当たるかは神のみぞ知るという状態になります。
瞬間視の効果
あなたはパソコンやゲーム機などで動体視力のトレーニングをやったことがあるでしょうか
やったことが無ければ1度やってみれば良いと思います。
仕組み的には画面上を文字ないしは文字が書いてある物体が移動し、その文字や数字などを瞬時に読み取るものです。
動体視力に優れた人だと、比較的高速で動く文字や数字をより正確に読み取ることが出来ます。
このパソコンなどによる動体視力トレーニングには賛否もありますが
今回はそれは置いておいて
文字が読み取りにくいときに、一つの方法として、高速でまばたきをしながら画面上を動く文字を読む方法があります。
注:人によっては高速でまばたきを繰り返すことが出来ない人もいます。
1秒間に数回のまばたきをしながら動いている文字などを読み取ると
じっと凝視しているときよりも文字を読み取りやすくなります。
まばたきをすればそれだけ視界がさえぎられ、動いている文字を見ている時間が短くなるのに
なぜ視界をさえぎるまばたきをする事で、文字が読み取りやすくなるのでしょう
それは
常時見えていれば、脳が処理する画像情報が増加することで、画像1枚当たりの解像度が低下するのに対して
まばたきをすることで目からの情報が入力されない時間がある分、脳の情報処理能力が、見えている時間の情報処理に集中でき、見えている瞬間の画像をしっかり処理できることになります。
処理する画像が多いと一つ一つの画像はぼやける。
注:人間の脳がどのように動画を処理しているか分かりませんが例えばテレビや映画であれば1秒間当たり30枚程度の静止画を連続して再生することで、人間の目には動いているように見えます。
また、まばたきによって、見えている時間が制約されることで、見えている瞬間の集中力も向上することになります。
その他にも瞬間的にしか物体が見えていないのであたかも静止画を見ているかのような効果もあります。
人は結構漠然と物を見ている
人は目から莫大な量のデーターを入手しています。
これらのデーターを全部処理していると、とてもじゃないけど脳の働きが追従できませんし、非常に疲れてしまいます。
ですから人は何かを見ていても、大部分の情報を垂れ流しで、放置しています。
極端な例が、考え事をしながら、慣れた道を歩いて家に帰ったりしたときに、途中のことを全く覚えていないというようなことを経験したことがあると思います。
漠然とした画像
もちろんバッターボックスに立ったときには目を皿のようにして投手の投球フォームやボールを凝視していると思います。
しかし長年の生活の中で「流し見」する習慣が付いていれば、いくらその瞬間だけ気張ったとしても、実際にはそれほど「物」が見えている訳ではありません。
気持ちだけいくら集中していても、目が瞬間視に慣れていませんから
結局見えているのはぼんやりとした雲の帯に囲まれたボールがなんとなく見えているだけです。
逆に甲子園の予選などで6割とか7割の打率を残している選手も結構います。
打ち損ないや、野手のファインプレーに阻まれることも考えれば、ほぼ100%バットの芯でボールを捉えていることになります。
これらの選手は単に反射神経や動体視力が優れているだけではなく
おそらく子供の頃から、しっかりボールを捉える瞬間視の能力を鍛えていて
動いているボールを正確に目で捉え、その情報を脳に間違なく送っていて
その結果地方予選レベルの投手のボールであれば、ほぼ100%に近い確率でバットの芯で捉えることが出来ているのだと思います。
瞬間視を鍛えるトレーニングはあるのか
瞬間視が向上すれば、野球の打率は大幅に向上するのでしょうが、瞬間視を鍛えるトレーニングはあるのでしょうか
バッティング練習をまばたきしながらやっても良いのですが、ちょっと現実的ではないですね。
そこで瞬間視を鍛える方法について挙げてみます。
電車や車の車外の物を見る
電車や車の窓から見える物を見る訓練をするというのは動体視力を鍛える方法として良くあるトレーニング方法です。
ただし漠然と物を見るのでは無く、瞬間視を鍛えるのですから
ピンポイントの物を識別する様にします。
手前からじっと見るのでは無く、すれ違いざまにぱっと視線を向けて瞬間的に電柱に書いてある文字や対向車のナンバーなどを読み取る訓練です。
見るのは一瞬だけにします。
注:自分で車を運転中は危険ですからやらないようにしましょう。
ただしこの方法はせいぜい時速数十kmから百km程度の移動速度しかトレーニングできない難点があります。
パソコンやゲーム機のトレーニングソフトはNG
瞬間視には良いのかもしれませんがパソコンやTVの画面は平面でしかもものすごく狭い範囲しか視線を動かしません
野球に必要な動体視力には、3次元の物を見る能力
具体的には頭やそれに連動して眼球や視線を動かしたり、焦点を移動させる能力が重要ですが、一定の所を凝視し続けるパソコンの画面上のトレーニングを続けていると
肉体的な動体視力の能力が低下する恐れがあります。
動体視力トレーニングメガネを使用する
ご存知の方もいるかと思いますが「ビジョナップ」という動体視力トレーニングメガネがあります。
動体視力トレーニングメガネ「ビジョナップ」
ビジョナップは光学的に1秒間に何回もシャッターを下ろすことで、自動的にまばたきをしているような状態を作り出し、動体視力や瞬間視を鍛えることが出来ます。
シャッターの開閉速度は、トレーニングの目的や熟練の度合いによって、調節することが可能です。
プロの野球選手やサッカー選手あるいは高校野球の名門校などでもトレーニングに使用しています。
まだ一般的に広く知られていませんが、知る人ぞ知る動体視力向上トレーニングの便利グッズです。
動体視力トレーニングメガネ、ビジョナップの使い方を仕組みから解説
まとめ
野球の打率を上げるためにはしっかり投手の投げたボールを目で捉えることが重要です。
いくら素晴らしいスイングをしていても、ボールが見えていないのでは話になりません。
投手の投げたボールを正確に捉えるには、いわゆる動体視力と共に、瞬間、瞬間のボールの位置を正確に捉える瞬間視が重要になってきます。
瞬間視を鍛えて、ボールをしっかり捉えることで投手の投げたボールの動きを正確に予測し、確実にミートすることに繋がります。
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