「スポーツが上手くなりたいなら動体視力が大切」
とは、よくいわれることですが、そもそも動体視力とは何、静止視力とどう違うのでしょう
スポーツが上手くなりたいなら、どうやって動体視力を鍛えれば良いのでしょう
動体視力とは、静止視力との違いは
動体視力とは、動くものを見る能力のことを言い、スポーツビジョンと言われることもあります。
横や縦方向の動きを識別する「DVA動体視力」と
近づいて来たり遠ざかるものを(遠近)を識別する「KVA動体視力」
の2種類があります。
DVA:横や縦方向の動体視力
KVA:前後の動体視力
横(縦)方向の動きを識別するDVA動体視力では、眼球を素早く動かすために、眼球の周りについている外眼筋と呼ばれる筋肉の動きが重要になってきます。
一方、遠近を判断するKVA動体視力では焦点を素早く合わせるために目の水晶体(レンズ)の反応速度が重要になってきます。
静止しているものがよく見えても(静止視力)動く物を見る視力(動体視力)が悪いと、スポーツで活躍したり、車の運転などで安全委運転することが難しくなります。
静止視力に比べて動体視力の方が悪いのが一般的で
ある研究では、静止視力1.2の人が
時速50km :0.7
時速100km:0.6
に低下したというデータがあります。
また、普段の静止視力が悪い人ほど動体視力の低下が激しいと言われています。
動体視力を鍛えて良くする方法は
動体視力を鍛えて良くする方法にはいくつかあります。
スマホやパソコンのアプリを使う方法
スマホやパソコンのアプリを使って動体視力を鍛えるようなものが色々出ています。
ただし、これらの方法は、スマホやパソコンの画面上(平面=2次元)に映し出されるものを見る能力を鍛えるもので、DVA動体視力(主に横方向の動き)を鍛えるものがほとんどです。
たまに、近づいてくる物を見るKVA動体視力を鍛えるタイプのものもありますが、結局平面=二次元上の画面に仮想的に表示(主に錯視効果などを使ったもの)しているだけであったり、実際はDVA動体視力を鍛えるだけのもの(文字が回転しているなど)で
本当のKVA動体視力を鍛えているとは言えない部分があります。
あるいは文字が横方向に動いているものが多く(縦方向の物はほとんど無い)
さらに、数字や文字を見るものがほとんどで、数字や文字の認識能力が判別の大きな影響を与えていることも否定出来ません
例えば8桁ぐらいの数字を言い当てるようなものだと、8桁の数字を認識して頭の短期記憶に残しておく能力が求められ、実際の動体視力とは必ずしも一致しない場合もあります。
更に言えば、スマホやパソコンの画面は小さく、目の前の狭い範囲を見る訓練にはなっても、広いグラウンドなどで遠くの物を見るスポーツビジョン=動体視力を鍛えるのに本当に効果があるかどうかというと疑問があります。
下手をすれば、一定の所に焦点を合わせ続ける結果、視力に悪影響が出てしまう可能性もあり、スポーツが上手になりたい人の役に立つとは限りません。
乗り物に乗って外の景色を見る
昔の野球選手の逸話などで、電車に乗っているときに外を流れる風景を見ながら、動体視力を鍛えたという話が残っています。
現代の人でも車や電車に乗りながら車窓を流れる風景を視界に捉える訓練をすることで、動体視力を鍛えるトレーニングをしている人もいることでしょう。
これでもある程度の動体視力を鍛えるトレーニングになると思いますが、残念ながら、電車や車のスピードはせいぜい50~100km程度で
(新幹線などに乗る機会は限られていると思いますの(^^;))
野球の投手で言えば、超スローボールピッチャーの球速以下ですから、スポーツの能力を鍛えるためという事であれば物足りないですね。
野球選手の動体視力が悪ければ打率も悪くてレギュラーになれない理由
実際に動いている野球のボールなどを見る
例えば野球をやっている人だと、バッテイングセンターに行って、超高速球のケージに入って、実際にボールを見るなどという方法もあります。
この方法の場合、せっかくだからと言って、ボールを打ってしまうと、打撃の方に注意が行ってしまって、実際にはボールをよく見ていない場合が生じますから、ボールを打つより、ボールをよく見る方に重点を置く必要があります。
ただしこの方法のデメリットは、超高速球のゲージに入って、打撃せずに球を見ているだけという人は時たま見かけますが、
「変なやつ」とか「打てないんだったら高速球のゲージに入るなよ」みたいな視線に耐える必要がありますし、十数球のボールを高いお金を払って見ているだけというのももったいない気がします。
まあ、野球のチームに入っているなら、ピッチャーの投球練習の時にバッティングボックスに立たせてもらうとか
卓球であれば、他の選手が練習しているすぐ近くでボールの動きを目で追って、動体視力を鍛えるという方法もあります。
ビジョナップで動体視力を鍛える
切実に動体視力を鍛えて良くしたいというなら「ビジョナップ」を使う方法もあります。
ビジョナップ
ビジョナップは、動体視力を鍛えるための専用のメガネで
仕組みとしては
サングラス状のメガネに光学的なシャッターを付け、視界を瞬間的、断続的にさえぎることで、動く物を捉える能力を鍛えるものです。
瞬間的、断続的に視界をさえぎることで、画面がストロボ状になり、視覚から得られる情報を数パーセント、あるいはそれ以上少なくすることで
・脳内における物体の未来位置予測(計算)を高速に行う
・視界がさえぎられる分、動いている物体に対して、焦点を合わせようという集中力が高くなる。
・瞬間的に焦点を合わせようと、動く物(ボールなどの)未来位置に自然と焦点が移動する。
という能力が鍛えられ
ビジョナップをかけずに普通に動く物を見たときに、ボールなどが遅く感じられる=動体視力が向上する
ということを期待するものです。
動体視力ゲームなどで、まぶたを高速に開け閉めすると、じっと見ているときより、文字などがよりはっきり見えるような感じです。
スポーツでよりよい成績を残したいという切実な思いがあるならビジョナップで動体視力を鍛えてみるのも良いと思います。
仮に動体視力を鍛えて10%ボールが遅くなって見えたら・・・
野球でいえば140kmの剛速球ピッチャーの球が126kmくらいの草野球並みのスピードに見える事になります。
まとめ
動体視力には、横(縦)方向の動き(眼球の動き)を捉えるDVA動体視力と、遠近の動き(水晶体の焦点を合わせる動き)を捉えるKVA動体視力の2つがあります。
よく見かける動体視力を鍛えるソフトは横方向(左右だけ)の動きを鍛えるものがほとんどで、しかも狭いスマホやパソコンの画面上で目のすぐ近くの物を捉える能力を鍛えるだけで
必ずしもスポーツをやっているときに役に立つかどうかは分からない上に、視力その物を悪くしてしまう可能性もあります。
切実に動体視力を向上させたいなら、普段の練習にビジョナップを使うという方法もあります。
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