ハズキルーペがメガネ式の拡大鏡だということは皆さんご存知だと思います。
ですが、イマイチ、ハズキルーペは何のために使うものなのか
本当に必要な物なの?
単なる拡大鏡なら何故そんなに売れているのでしょうか。
ハズキルーペは比較的高齢になった人が重宝して使うグッズです。
ハズキルーペとは何ぞやとはを考える時に、まずは高齢化と加齢に伴う視力の低下について考えてみましょう。
目の老化は誰にでもやってくる、高齢化社会では大きな問題
日本人の平均寿命は毎年長くなっています。一般的に65歳以上の人を高齢者と呼びますが現時点で高齢者は約3500万人存在します。
日本全体の人口は減少しているのに、高齢者は今後更に増え続け2042年には3935万人まで増え、日本の人口の3人に1人は高齢者となる計算です。
医学の発達により、高齢者でも健康な人が増えています。ところが、目の老化については現状では対策がありません。
目の老化といえば老眼と、白内障が顕著な物です。
例えば老眼
焦点を合わせられる最短距離(近点距離)の年齢別平均は
50歳 40cm
60歳 100cm
70歳 200cm
50歳の人だと40cmより手前にあるものに焦点を合わせることが困難になります。
個人差はあるというものの60歳を超えたら老眼鏡無しで手元に焦点を合わせることはほぼ不可能になります。
また、白内障についても、軽度な物を含めて高齢者が白内障に罹患している割合は
60代 66~83%
70代 84~97%
80代 100%
注:白内障:水晶体が白濁して視界が白っぽくぼやけてくる症状ですから、加齢と共に確実に視界が白ボケしてくることになります。
そして、加齢と共に、焦点が近くに合わなくなるだけでなく、目に映る映像もクリアではなくなってきます。
視力は人間の生活の根幹に関わる能力
想像するまでもなく視力が低下すれば日常の生活に支障が出てきます。
高齢ドライバーの事故が多い主な原因の一つに視力の低下が上げられます。
(特に動体視力が低下)
車の運転を別にしても、視力が極端に低下すれば、日常の生活に支障が出てくることは容易に想像が付きます。
高齢者の人生のQOLを上げる為には視力を維持する必要がある
生活に支障が出るほどの視力の低下でなくても、老眼で近くのものが見えない、あるいは白内障ばかりでなく、水晶体の本体や表面の劣化により目に映る画像が微妙にゆがんでいたり、画像が粗くなってきたりします。
そうなると、本を読もうと思っても、焦点が合わないだけでなく、小さな文字は判別しづらく、目が疲れ易かったり、あるいは判別が出来なかったりします。
あるいは趣味の刺繍や、プラモデルの製作、釣りの仕掛け作り
その他様々な細々したことが、若い頃なら難なくできていた物が、目がよく見えないことから非常に煩わしい作業になったり時間がかかったりするようになります。
しかも高齢になると集中力も低下してきますから、もういいとなって、やらなくなったりします。
現在は老後の人生が長く、定年後も健康で元気なのにもかかわらず、手先を使う趣味の事や本を読んだり、パソコンを使ったりするという知的活動が制約されるということは、高齢者の人生のQOL(生活の質)をものすごく低下させ、大げさにいえば生きる活力まで奪うことになります。
ハズキルーペの存在意義
前の項で説明したとおり、高齢になるにしたがって、焦点距離だけでなく、細かい小さなもの自体がハッキリ識別できなくなってきます。
ハズキルーペに対する批判的なコメントの中に
・老眼鏡があれば焦点は合わせられるからハズキルーペは要らない
・単なる拡大鏡(ルーペ)に1万円も払うのは馬鹿馬鹿しい
・百均の老眼鏡(又はルーペ)があれば充分
という人が時々居ますが、おそらく40代以下の年代の人か、比較的視力が衰えていない人だと思います。
ねじを締めるときに一時的に使うだけであれば、ルーペとか100均の老眼鏡で事足りるかも知れませんが高齢になって、様々なシーンでメガネ式拡大鏡が必要になってきたときに、ちょっと使いのバッタ物で事足りるのかというとそうではありません。
ハズキルーペ
品質の問題
ハズキルーペは日本製です(^^;)
それがどうしたという意見もあるでしょう。でも、やはり百均のメガネとはクオリティーが全然違います。
最近は中国製のメガネ式拡大鏡(類似品)も増えてきました。ぱっと使った感じではそれほど見え方に違いはないように感じますが、これらの製品はプラスチック製の単なる類似品です。
ソフトフレームでないですから壊れやすいですし、レンズのゆがみも大きいし、目に悪いといわれているブルーライトカット機能はありません。もちろんUVカット機能もありません(ハズキルーペは99.99%のUVをカット)
注:UVは白内障の大きな原因になります。
ブランディング
ハズキルーペのCM、色んな意味で話題になっているようです。
若い人の間では色々批判もあるようですが、今や知る人ぞ知るハズキルーペ。
メガネ式拡大鏡というニッチな製品としてはブランディング戦略が大成功!
今後、後発の類似のメガネ式拡大鏡は出てきにくくなっています。一方、ライバルは中国製の安価な類似品という事になります。
そうなると、贈答品や、立場上さすがに安物は使えないという人はハズキルーペ一択になりますし、
精密な作業を本格的にやる人、長時間使う必要があり、しっかり目を保護したい人、類似のバッタ品ではなくそれなりの物を使いたい人にとっても、ハズキルーペを選択するという事になります。
ハズキルーペはただのルーペとどう違う
ハズキルーペは単にメガネにルーペを組み合わせたものではありません
普通のメガネと同じように広い視界を持たせた上で、小さな物を大きく拡大してくれます。
普通のルーペ(拡大鏡)と見比べてみれば分かりますが、普通のルーペに比べて格段に視野が広いですし、焦点距離もルーペに比べれば結構幅があります。
逆に視界が広いことで、普通のメガネと勘違いしてハズキルーペをかけたままあちこち見渡したり、遠くを見て、焦点が合わないとか、目がクラクラするというクレームを言う人も居ますが、逆にいえば、それだけ普通のメガネと勘違いするような見え方をしているとも言えます。
ハズキルーペ
まとめ
日本では高齢者が増加しています。しかし現在の医学ではに目の老化を止めることはほとんど不可能です。
平均年齢が高くなっている分、高齢者が活発に活動する期間も増えているけれど、視力の低下は進みます。
そういう時に視力の低下を補ってくれるのがハズキルーペという便利グッズになります。
若い人にはなかなかハズキルーペの必要性は理解しにくいですが、高齢者にとって普段の知的生活の質を上げるためにはなくてはならないツールになりつつあります。
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